ある書家との仕事

「筆文字を書いて300円」 という看板ではがきに筆文字かいて売っている女性がいました。

書道の人が手作り市に出店するのは大抵は、あなたのためにピッタリの文言を書かせていただきます というカウンセリングを組み合わせた類ですが、彼女はストレートにはがきに文字を書いて売っているという人でした。

それで私が提案したのは携帯のケースに筆文字を書きますというサービスです。

本人も乗り気にだったので此方でケースを幾つか用意して試しに書いてもらい名古屋の手作り市で参考出品してもらいました。

携帯ケースに筆文字をオーダーで書くというサービスは存在しなかったのでそれなり反応があるはずだと思ったのです。

実際反応はわるくなかったようです。

実は普通の墨ではケースに載らないのでアクリル絵の具を使いました。
筆も普通のものだけでなく割り箸や、竹ひごで自作したものを試してもらいました。

結構面白い雰囲気の文字ができたのですが、ケースによってはうまく載らない場合もあり相性のテストをしないといけない事がわかりました。

結局この企画はここで頓挫してしまいました。

彼女にそれほど強い彼女のオリジナルを売るという思いがなかったのかもしれませんが、このトラブルを乗り超えようと思う程のエネルギーが出なかったようです。

またいつもの用にはがきに字を書くという姿に戻って行きました。

確かにこのトラブルを超えたら売れるのかといえばそれはまだまだ道半ばだと思います、でも誰もやっていないものをやるという気概というか覚悟があればその次のハードルも超えられるものです。

ハードルや壁、苦労のないところをから出現したものに人は興味を持ちません。

様々な困難を乗り越えてきたストーリがあると、人は感動とともにその商品やサービスにただならぬものを感じ取ってくれるのです。

それがなければ誰が売っても一緒ではないでしょうか。