手づくりビジネスの常識と非常識その1

私が関わった方でゴム板はんこを彫って売っておられる方がいます。

初めは猫の絵を描いて売っていました、店先には自分で彫った猫のはんこが置いてあったそうです。
道行く人その猫のはんこに興味を示してくるので彼は思い切ってはんこを彫って売ることにしたのです。

それがうまくいって今は猫のはんこを売っています。

私が提案したのは、オリジナルデザインがあるのだからはんこの彫り方を教えて 猫雑貨を扱っている店に売りこもうという企画です。

最初は知り合いの雑貨屋さんにテストマーケティングの協力をお願いしました。

デザインのロイヤリティは取りませんが彫刻の道具と材料を少し余分に買ってもらうことで話が付きました。

私も営業のためにはんこが彫れた方が良いだろうと思い、用意された道具で彫刻してみるのですが、これがまったくうまく行きません。

それで何度も彼が彫っている姿を観察していたのですが、その時あることがわかりました。

私が持っている道具と違う道具を使っていたのです。

私が使っていたのは1本500円の彫刻刀で彼が使っていたのは1本3000円はする高級な彫刻刀だったのです。

すぐにそのメーカーを調べて手に入れてみたら、なんとうまく彫れるではないですか。

彼はお店に負担をかけないように安い彫刻刀を勧めていたのです。
でもこれは何の親切でもありません。

お店は商売をやっているのですから、早く投資した資金を回収しないといけません。少々高くついてもすぐに彫刻がマスターできる道具を揃えてやるべきなのです。

商売とは投資に対してどれだけのリターンがあるかできまります。初期投資が大きくなってもリターンが大きく早ければ正当に評価されるのです。このケースではそれが理解もらえなかったようです。

結局このビジネスは頓挫することになりますが、おかげで私には大きな転機になりました。